コラム「日興リカの人間力」

No.04

品質保証 -品質を支える要で、チーム力を発揮-

一致団結の思いが、お客様に認められる製品を生み出す

品質保証部 奈良原(2008.3.3)

わたしたちの底力

日興リカでは、2つの工場で独自の技術を活かし、さまざまな製品を製造しています。群馬工場では、各種スポンジメタル触媒やゴムワックスコンパウンド、ナイロンパウダーなどを中心に製造し、私が所属する館林工場では、主に受託生産で水素化反応を行っています。水素化反応は、化学工業において欠かせない技術であり、お客様は多岐にわたりますが、その中でも多いのは化粧品や医薬品業界です。

私が担当する品質保証とは、製品が一定の品質基準を満たしていることを保証する業務で、原材料から製品として出荷されるまでの各工程で、厳しい検査を行っています。また、日興リカでは毎年、品質目標として不具合の低減目標を定め、全社を挙げてクリアするよう目指しています。さらに、お客様からのご意見・ご要望に迅速に対応する体制を確立し、品質に関する情報をすばやくキャッチします。そして、社長を含め、管理職全員に連絡します。各人はその内容を周知し、その後、定期的に行われる生産会議や、ISO会議の場で討議して、一丸となって取り組んでいます。お客様の声をしっかり受け止めて、『すばやい改善につなげる』、この行動力と対応力が、日興リカの底力だと思います。

お客様に必要とされている喜び

日興リカの底力を象徴する印象的な出来事は、私がまだ生産技術部に在籍したときに携わった化粧品基材の生産体制を確立するプロジェクトです。化粧品基材は、人の肌に触れるため、求められる基準が大変厳しいものです。実機設備の数十分の一という小スケールの実験では、基準を満たしてもいざ実機規模で生産すると状況が異なるため、どうしても品質が安定しませんでした。どこに原因があるのだろうか・・・そんな試行錯誤が2年近くも続いて、工場を回り、ひたすら仲間と原因を探る日々でした。あらゆる配管を確かめたり、製造する釜に何時間も張り付いたり。何度会議を重ねたかわかりませんが、進展がなく、良い報告ができない時期は辛かったですね。しかし、地道な作業でも、部署で協力し合い、あきらめずに続けた結果、だんだんと原因が絞られ、ついに解明することができました。このとき私を支えたのは、お客様からの期待になんとしてでも応えたいという強い思いと、質の高いモノを作りたいという一心でした。その成果にお客様からも高い評価をいただき、10年以上たった今でも、その基材はご注文をいただいています。

また、日興リカのお客様は、ほとんどが企業であるため、エンドユーザーである一般の方々の声を聞く機会は少ないのですが、乾燥性敏感肌の保湿やスキンケアとして使われている軟膏(ワセリン)の改良に携わったときは身近に感じることができました。 ワセリンは、薬局や病院で一般的に使われるため、直接エンドユーザーの手に渡ります。実験段階から、性質上配慮すべきことも多く、たくさんの苦労があります。あるホームページで実際に使用した方の感想やお褒めの言葉などが掲載されていました。「すごく使いやすかった」など、そういった喜びの言葉に私たちの製品が広く社会に貢献できていることを肌身で感じられて、大きな励みになります。

日興リカの人間力

日興リカでは、全員が「お客様重視」という意識を持って、日々、業務に取り組んでいます。生産体制の立ち上げでは、営業・技術・生産の各部署が何度もお客様と打ち合わせを重ね、質の高いモノを作ろうというプロ意識を感じます。

例えば工場では、さまざまな化学薬品を扱うため、危険を伴う業務もあります。ですから、普段から周りを広い視野で見る力が必要になってきます。私も上司に、「検査をするのが仕事だけど、ただ検査をすることが目的になってはダメだぞ」とよく言われていました。つまり、たとえ検査で基準を満たしている数字が出ても、過去の数値と比較して、些細な変化でも把握する。高い品質を保つためにはそういった分析力や洞察力が重要になってくるのです。部下に指導する立場になった今、そのことを身にしみて感じています。上司の言葉を受け継いで、これからも部下には日々しっかり伝えていくことを心がけたいと思います。

品質保証に携わる者として、今後は館林工場のレベルをさらに向上させたいと思っています。理想は、検査の必要のないほど高品質の製品を製造することです。しかし、それは社員一人ひとりが品質維持に対する高い意識を持ち、日々の地道な努力がなければ実現することは不可能です。それに向けての取り組みとして検査課では、毎朝ミーティングを欠かさず、各人の業務内容を確認して、協力体制をとるよう心がけています。工場から、急な分析依頼がくることもありますが、そういうときもお互いのスケジュールを調整しあい、すばやく対応するよう徹底しています。それぞれの部署が協力し合い、自らの仕事を全うする体制がチームの団結力を生むのです。こういった人間力が、日興リカならではの高い品質を支えているのだと思います。

努力の成果は社員に還元

全社員が参加する社員旅行で、ハワイ、グアムとここ2年連続で海外に行きました。仕事のことを忘れてリフレッシュし、英気を養えることができて、とても楽しい思い出になっています。そして、新たな気持ちで次の仕事に臨む。我が社は仕事で最大限の力を発揮できるよう社員のことを考えてくれる会社だと思います。