コラム「日興リカの人間力」

No.02

営業 -海外勤務にて育てられた経験と、
スタッフ全員が育つ環境-

新たな製品を生み出す魅力がここに

関西支社営業部 中村(2007.3.22)

日興リカの営業体制

触媒を始め日興リカで製造している製品は、石油化学、合成繊維、高分子樹脂から、化粧品、食品、医薬品、農薬、電子部品、自動車産業などの各分野で使用していただいており欠かせないものとなっています。日興リカは創業以来、これら広い業種のお客様に貢献しています。現在、群馬工場と館林工場にて製造と研究開発を行う一方、東京本社と関西支社の2拠点にて営業活動を展開しています。

私たちの営業スタイルは、大きく分けて2通りあります。一つは、既存のお客様との取引における品質の改良や向上。長いお付き合いをしていただいているので、「このような改良は可能ですか?」というご依頼やお問い合わせを数多くいただきます。その後、営業担当が具体的な情報収集やヒアリングに伺い、お客様要望を社に持ち帰ります。そして、工場の研究スタッフや技術スタッフに試作品の製作を依頼。試作品が出来上がると、お客様の試験結果を基にして更にさまざまな改良が重ねられます。その後、具体的なコスト面の打ち合わせなどを経て、正式に改良品の完成となります。

もう一つは、新規お客様の開拓における新製品の開発です。まずは、新たなお客様の力となるため、日興リカの技術力の強みを基に、新しく何が出来るのかを考えます。潜在的なニーズまでも想定し、幾度も開発を繰り返して、具体的なカタチを作り上げていく。ですから、正式な受注となるまでに多くの課題に直面し、数ヶ月から数年と長い時間を要すこともあります。それでも、最終的にお客様の要望がカタチになったときは、この上ない達成感を得ることができます。

日興リカには「テーマ提案制度」というものがあります。これは、営業担当が日々の営業活動の中で見つけ出した新たなテーマについて、社内に提案する制度。それは、お客様への提案や新製品に関すること、技術に関することなど、どんなことでもいいんです。この制度のおかげで、社員の提案が開発の大きなヒントになることもあり、営業・開発間で相乗効果を生んでいます。私も鋭い嗅覚を持って、日々の仕事に取り組むことを心がけています。

異国の地で奔走した日々

学生時代の私は、人と接する仕事をしたい、色々なところに出掛けて仕事をしたいという思いより営業職を希望していました。では、何の営業をしたいのか?と考えた時、機械などの完成品ではなく、その機械の部品、その部品の原料になる素材を扱う仕事のほうが、あらゆる分野と関わることができ、きっと自分の活躍の範囲も広がるに違いないという考えに行き着きました。
そうして出会ったのが日興リカです。入社して最初に配属されたのは、大阪営業所( 現 関西支社 )でした。入社後すぐに「ニッケルって何?」「触媒?」と戸惑いながらも聞く話し全てが新鮮でワクワクしたのを今でも良く覚えています。当時の私は若かったこともあり、漠然とした都会への憧れも、本社が東京にある日興リカを選んだきっかけの一つだったのかもしれません。

大阪で4年が経過し東京ではなく、私はマレーシアのクアラルンプール事務所の初代所長として、海外へ赴任することになりました。2005年の6月に帰国するまで、12年間駐在していましたが、最初の4年間、現地の日本人社員は私だけ。戸惑いながらも、まずは、日系企業への訪問から始めました。しかし、相手は私よりはるかに年上の社長ばかりですから、そう簡単には相手にしてくれません。かなり自分を鍛えていただいたと今では感謝しています。当時の日本への連絡手段は、国際電話料金も高く、インターネットも普及していませんでしたから、情報をせっせとワープロで文書にし、FAX送信ばかりしていた記憶があります。そんな状況でも、なんとかして基盤を築こうと必死で奔走しました。その結果、徐々にですが仕事の範囲を広げることができました。

マレーシアでは酸化銅の中間生成物を現地で作り、日本へ輸出する仕事から始め、その酸化銅やシリコーンパウダーを製造する工場を新たに建設し、原料購入から製品販売まで担当していました。しかし、新しい工場を立ち上げる、と言っても、まずは土地を探して購入するという段階から。製造ライセンスや環境アセスメントの当局への許認可申請、工場スタッフの面接など、さまざまな業務を経験させてもらいました。営業出身なので専門的な知識は皆無に等しく、どのような手順を踏めばいいのかわからないことも多々ありました。苦戦続きでしたが、それでも工場を立ち上げる使命感と諸先輩方の指示、助言を中心とした協力を得られたおかげで、今では「綺麗な工場だね」と、ほめていただける工場になりました。

日興リカの人間力

現地での任務が終わり、2005年に帰国しました。再び、関西支社で営業を担当していますが、今でも2ヶ月に1回のペースで現地の工場へ足を運び、マレーシア人技術者とのコミュニケーションを大切にしています。また、現地を知る者として、もっと、東南アジアでのビジネスを大きくしたいという考えを持って出張しています。

現在、私は次長として、5人の部下と一緒に仕事をしています。気をつけていることは、メンバーの一人ひとりが、仕事に意欲を持ち、やりがいを感じているかどうか。営業職ですから当然、目標とする数字があります。ただ、数字だけが評価の対象となりますと、営業は個々に情報を抱え込んでしまいます。皆で一丸となって結果を創り出していくためには、チーム全体で情報を共有することが大切。日興リカでは、その仕組みがうまく機能していると感じています。結果に対する評価はもちろん、情報収集への取り組み、的確なフィードバックやアドバイス、それらの情報をうまく生かしたことなど、努力の過程もしっかりと見てくれる企業なんですよ。

また、普段の仕事で心がけているのは、自分も上司や先輩から育てられているなぁと感じたことと同じことをする。チームが良くなるためのお互いへの助言は惜しまず、お互いを信頼するということ。性格の違う者が集まり、一つの目標を目指すって、いいですね。そのためには、何でも意見を言い合える雰囲気を作ることが大切です。それは、決して馴れ合いになるということではなく、よりよく仕事ができる環境にするために、もし間違っていることがあればフィードバックし、改善すべきところがあれば、しっかりそれをチームに伝える。上司・部下関係なく言いあえるのが、強固な信頼関係でつながっているチームだと思いますから。そして、その中でそれぞれが個性を発揮できる人間力こそ、日興リカの誇りです。

熱く語り合える仲間

部下には「何かあったらすぐに相談して欲しいねん」など積極的に声をかけることを心がけています。仕事が終わった後、食事に行くこともありますが、「仕事の話はやめようね」と言った矢先から、仕事の話で熱くなってしまいます(笑)。組織に埋もれるのでなく、「こうなりたい」「こうしたい」と自分たちの未来について熱く語り合えるスタッフは私の自慢ですね。